せかうな

世界で一番うなぎがうまい

活動009 | BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stageの表現のバランス

BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』を見てきた。始まった瞬間に1stとは何か違う雰囲気を感じ取ったがうまいこと言葉にはできなかった。 後から振り返ってみるとやはり映像面の技術的な進歩と、ステージングの演出的な進化がとても大きいんだろうなと考えられる。 アニメーションの都合上、本当の意味でのライブではない(初音ミクVtuberのライブとも違う)という制約のもと、ただのMVとは違う何かを見出すことができたその結果がFilm Liveなのかもしれない。

Film LiveをFilm Liveたらしめていたのは現実と嘘のバランスの妙だと思っている。 その要素は3つあると思っていて、一つ目が「バンドがライブをしていることの説得力のための現実的な表現」、二つ目が「コストを度外視した表現」、三つ目が「物理法則を無視した表現」である。 一つ目に関してはこれが確固として存在していることが重要で、基本はこの表現がベースとなっている。 実際のライブ音源を使ってライブ会場を模したセットの中でキャラクターが動いていることで、これはイメージではなくて現実のライブであることを意識させる。 二つ目は現実世界で実現できないことはないが(おそらく)お金がかかりすぎるから無理だとなるようなステージングである。 あれだけの広さの空間に加え前方ステージと後方ステージを交互に使ってライブを進行していく演出は見事だった。 三つ目は明らかな嘘である。これを感じたのはハロハピが気球に乗って登場した後にすぐにステージに立っている弦巻こころ(上空からあの短時間でステージに立つのは明らかに無理)のシーンである。

1stはおそらく1つ目を愚直にこなしたのだと思う。Liveを冠したのだから何も間違ってはいない。 そして2ndでは一を基本としながら二と三を、一を壊さない程度に散りばめたところが爆発的な進歩を生んだのだと思う。 ある意味画面の中の客は無視できるために曲芸的なカメラアングルを時々取り入れることで情感のある視点を与えていたことがアニメ作品である意味を持っていた。 そしてこれ以上二を多くするとファンタジーになってしまうし、三を多くして心象風景の空間のようなものを出してしまうとこれまた一を壊してしまう。 それらの各要素が高レベルでつり合っていたのだと思う。

あと弦巻こころかわいいですね。

舞台挨拶中継付きの回ではムビチケが使えなかったために期せずしてもう一回見られる料金をすでに払ってしまっているのでどこかでもう一度見に行こうかと思っている。